ピロリ菌の感染を予防するための対策について紹介します。

ピロリ菌に関するQ&A

最近よく耳にする「ピロリ菌」ですが、その実態はあまり知られていません。ここではピロリ菌がどんな細菌なのか、またどのように感染するのか・・・など、さまざまな疑問にお答えしようと思います。

Q. ピロリ菌はいつごろ発見されたの?

A. 1983年に初めて報告され、現在では世界的に胃・十二指腸潰瘍疾患の病原菌として広く認知されています。

Q. なんで「ピロリ菌」っていう名前なの?

A. ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」といいます。「ヘリコ」は“らせん”や“旋回”という意味でピロリ菌の形状を表し、「バクター」には細菌という意味があります。また、ピロリ菌が好んで生息する“幽門部(胃の出口付近)”はラテン語で「ピロルス」と呼ばれる部位です。これらすべてをつなげると、「胃の出口付近にいるらせん状の細菌」という意味になります。

Q. ピロリ菌はどんな病気を引き起こすの?

A. 日本ヘリコバクター学会によると十二指腸潰瘍患者の89%、胃潰瘍患者では94%からピロリ菌が検出されています。また、胃潰瘍の一部に胃がんが発生します。

Q. ピロリ菌はなぜ胃の中で生きていけるの?

A. 通常、胃には強い酸(胃酸)があるので菌をはじめとする生物は生きていけません。しかし、ピロリ菌から分泌される酵素「ウレアーゼ」は胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、周囲をアルカリ性の環境にすることで身を守っているのです。

Q. どうやって感染するの?

A. ピロリ菌は人の胃上皮細胞にのみ発見されます。感染経路としては吐物あるいは糞便に混ざって体外へと排出され、再び水などと共に飲み込まれて胃の中に定着していると考えられています。いわゆる「経口感染」といえるでしょう。

Q. ピロリ菌は防げるの?

A. 戦前の日本では未処理の水(井戸水や湧き水など)を使用していましたが、戦後は衛生環境が整い上下水道も完備したため感染率は低下しています。ただし、乳幼児は胃酸分泌や胃粘膜の防御機能が未熟なため、母親が食べ物を噛み砕いて与えることで感染する可能性も。これから母親になる・・・という人は、ぜひ一度ピロリ菌の有無を検査してみてください。なお、キスで感染することはないとされています。

Q, どんな検査をするの?

A. 現在、日本には5種類の検査方法があります。(1)迅速ウレアーゼ試験、(2)鏡検法、(3)培養法、(4)抗体検査、(5)尿素呼気試験です。(1)~(3)に関しては、胃・十二指腸の内視鏡検査が必要になります。(4)は尿や血液を使って簡単に検査できますが、抗体検査のため現在感染しているものか、あるいは過去に感染したときに抗体ができたのかは判別できません。(5)は最も精度が高く、信頼できる検査方法といえるでしょう。

Q. ピロリ菌に感染していたらどうすればいいの?

A. 胃薬と抗生物質の併用によって、除菌することが可能です。ただし、胃・十二指腸潰瘍と診断された人のみ健康保険が適用となり、それ以外の人は原則的に自費扱いとなります。

Q. 副作用はあるの?

A. 抗生物質を使うため下痢や軟便、発疹、味覚異常などの副作用がみられます。一般的な症状はさほど重くないのですが、まれに出血性の下痢などが起こることも。このような場合はすぐさま医師に連絡し、治療を続けるべきかどうか相談してください。

Q. 除菌が失敗することもある?

A. ピロリ菌の除菌成功率は80%とされています。つまり、残りの人(20%)は失敗に終わる可能性があるいうことです。しかし、一度失敗したとしても抗生剤の種類を変えて再び治療することができるので、諦めないでください。

Q. 除菌後は再感染しないの?

A. 前述したとおり、大人になって感染することはほとんどありません。よって、除菌すれば再感染の可能性は極めて低くなります。かといって、その可能性が0になるわけではないので口に入れるものには十分注意しましょう。

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