ピロリ菌の感染を予防するための対策について紹介します。

胃潰瘍

「胃潰瘍」は体質による慢性疾患と考えられていましたが、ここ最近の研究においてそのほとんどがピロリ菌の感染によるものだということが判明しました。


ピロリ菌が慢性胃炎を起こすと粘膜が弱くなり、胃・十二指腸潰瘍を起こすと考えられています。

胃潰瘍ってどんな病気?

胃酸が何らかの原因によって胃粘膜まで消化してしまい、胃壁がただれて傷つき、ひどいときには筋肉までえぐりとってしまった状態を「胃潰瘍」といいます。


なお、「潰瘍(かいよう)」には皮膚や粘膜がただれる、あるいは崩れ落ちるという意味があります。


ピロリ菌感染者が全体の90%以上を占めており、除菌しないと再発を繰り返しやすい病気です。


以前は40~50代の男性に多い病気とされていましたが、近年では女性や若者の発症率も高くなってきました。

胃潰瘍の原因

ヘリコバクター・ピロリが感染した胃粘膜上皮の組織像

胃・十二指腸潰瘍の原因のうち、ピロリ菌によるものが十二指腸潰瘍で95%、胃潰瘍で70%前後を占めています。


また、ピロリ菌以外の要因として最も代表的なのが「消炎鎮痛剤」です。


解熱剤や痛み止めとして広く用いられている「非ステロイド系消炎鎮痛剤」はこれだけで胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの胃腸障害を起こしやすくします。


また、脳血管障害や心臓病でもよく用いられる「アスピリン」も同様で、これらの薬は主に粘膜の防御機構を障害することによって潰瘍を起こしやすくするのです。


従来、潰瘍の因子とされていたストレスや食事、喫煙なども多少は影響しているかも知れませんが、現在はそれだけで潰瘍を生じることは少ないと考えられています。


むしろ、ピロリ菌と消炎鎮痛剤が胃・十二指腸潰瘍の2大要因といっても過言ではありません。


胃潰瘍の症状

症状としては上腹部痛や背中の痛み、腹部の不快感、胸焼け、吐き気などがあげられます。


空腹時や食後30分~1時間たったあとに痛みが起こり、軽い食事のあとは痛みがなくなる傾向にあるようです。


潰瘍で胃壁の血管が傷つき、出血しているような状態では吐血やタール状の黒い便がみられることも。


一方、これといった自覚症状がなく、人間ドックなどで偶然発見される場合もあります。

胃潰瘍の治療

水

潰瘍が疑われる場合、通常は胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害剤やH2ブロッカーなど)が処方されます。


また、ピロリ菌陽性の胃・十二指腸潰瘍であれば、除菌治療も効果的です。


これによって、再発率を著しく低下させることができます。しかし、中には除菌治療に積極的でなく、漠然と抗潰瘍剤を投与し続けるような治療も。


それぞれに事情があるでしょうし、除菌治療も万能ではありません。しかし、医師の説明が不十分だと感じたら、遠慮せずに説明を求めましょう。


また、胃に穴があいてしまった場合には手術を要します。


COLUMN:胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い

これら2つの病気はできる場所が異なるだけでなく、他にも色んな違いがあるようです。


胃潰瘍の出来やすい部分は胃角部付近とされ、十二指腸潰瘍は十二指腸球部というところに出来やすいとされています。


欧米では十二指腸潰瘍が多く、日本では胃潰瘍が主流となっていますが、生活の欧米化に伴って日本でも十二指腸潰瘍が増えてきているようです。


しかし、なぜこのような差が出るのかについてはよくわかっていません。


また、出来やすい年代も異なり胃潰瘍は40~50歳代、十二指腸潰瘍では20~40歳代となっています。


最近ではピロリ菌の感染分布の状態によって胃・十二指腸潰瘍のどちらになりやすいかがわかる・・・という説もあります。胃全体に感染していれば胃潰瘍、胃の出口付近(幽門部)や十二指腸球部に集中していれば十二指腸潰瘍になりやすいそうです。

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