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ピロリ菌とは何なのか、どのように感染するのかを紹介しています。

ピロリ菌とは

胃の中は強い酸性に保たれているため、生物は住みつくことができない・・・と考えられていました。しかし、1980年代に胃粘膜の中に生息する「ピロリ菌」の存在が明らかとなり、この菌によって胃炎や胃潰瘍などが引き起こされていることがわかったのです。日本では約6,000万人がピロリ菌に感染していると考えられています。

ピロリ菌ってなに?

ウレアーゼピロリ菌には4〜8本の鞭毛(べんもう)があり、これを使って胃粘膜に侵入・潜伏します。そして、胃を守るための粘液層こそがピロリ菌の住処となるのです。また、ピロリ菌は胃酸に耐え抜くための酵素「ウレアーゼ」を持っていて、これが胃粘液の成分である尿素を分解し、アンモニアとなります。このアンモニアで自分の周りを覆い、胃酸との中性化を図ることによって、強酸性の胃の中で生き続けているのです。

なお、ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ菌」といいます。「ヘリコ」には“らせん”や“旋回”という意味があり、ピロリ菌の形状を表しています。ヘリコのあとに続く「バクター」は“細菌”を意味し、「ピロリ」は“幽門部(ピルロス)”でよく発見されることから名付けられました。

どうやって感染するの?

口から入って感染する・・・いわば“経口感染”であることに違いはないのですが、その経路についてはいくつかの説があげられています。中でも“内視鏡を媒体とした感染”が注目されましたが、日本消化器内視学会から「内視鏡の洗浄、消毒に関するガイドライン」が出され、厳重に行われるようになりました。また、両親ともピロリ菌に感染している場合は5割、片親でも2割前後の児童に感染が認められています。一方、家庭内といえど夫婦間での感染はごくまれだとか。

ピロリ菌の感染経路

・ 口―口感染(歯垢や唾液からの検出)
・ 糞―口感染(糞便からの検出)
・ 飲料水からの感染(水道水からの検出)
・ 動物を媒体とした感染(ハエやネコなどからの検出)
・ 内視鏡を媒体とした感染

キスでも感染する?

親子ピロリ菌が口を介して感染するのであれば、キスでもうつるのではないか・・・と心配する人もいるでしょう。しかし、キスによるピロリ菌の感染はありません。これはキスの習慣がある欧米でのピロリ菌感染率が低く、日本でのピロリ菌感染率は高いということが証明しています。

また、ピロリ菌は幼児期に感染するものであって、成人になってから感染することはまずありません。成人の被験者が大量のピロリ菌を口から摂取しても急性胃炎を発症するのみで、ピロリ菌の感染が持続することはほとんどなかったようです。

さらには、幼児に対してのキスでピロリ菌がうつる可能性も低いとされています。箸などで鍋を共有する行為もまた問題ないといえるでしょう。ただし、噛み砕いたものを子供に口移しで与える・・・といった行為に関しては、ピロリ菌を感染させる可能性があります。

日本人とピロリ菌

井戸ピロリ菌の感染率は国によってずいぶんと違い、また経済および衛生状態によっても異なります。上下水道が整備されていない国や地域では感染率が高く、先進国では日本だけが際立って高い感染率を示しています。中でも50歳以上の感染率は7〜8割と非常に高く、これは子供のときに井戸水を飲用していたことが原因だとか。一方、10〜20代では2割前後と他の先進国とほぼ同率です。衛生状態のよい環境に育った人たちは感染率が低い・・・ということがわかるでしょう。

COLUMN:鞭毛の役割

ピロリ菌は鞭毛をスクリューのように回転させ、らせん状の本体をくねらせながら移動します。スクリューを逆回転させれば、バックすることも可能です。鞭毛を毎秒100回転くらいさせて、菌体の10倍ほどの長さを移動します。この速さを人間で例えるならば、100mを5.5秒ほどで泳ぐ計算となるでしょう。

また、胃の中はところどころ酸の強さが異なり、その弱そうなところを感じ取るセンサー機能もあるとか。鞭毛の先端は袋のような膜で覆われていて、これによって胃酸などから保護していると考えられています。

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